メタボと動脈硬化
メタボリック
日本人の三大死因はがん、心臓病、脳卒中ですが、
心臓病と脳卒中を合わせた循環器病を引き起こす原因は「動脈硬化」です。
「動脈硬化」の危険因子といえばコレステロールが有名ですが、
最近の研究では、肥満(特に内臓のまわりに付着した脂肪)がさまざまな生活習慣病を引き起こし、
それらの重なりが「動脈硬化」を起こすことがわかってきました。
そのキーワードとなるのが『メタボリックシンドローム』です。
■動脈硬化■
体のすみずみまで酸素や栄養素を運ぶ重要な役割を果たしている動脈が、
年齢とともに老化し、弾力性が失われて硬くなったり、
動脈内にさまざまな物質が沈着して血管が狭くなり、血液の流れが滞る状態を動脈硬化といいます。
①脳卒中 ■
脳卒中は、脳の血管がつまったり破れたりして、
その先の細胞に栄養が届かなくなって、細胞が死んでしまう病気です。
急に倒れて意識がなくなったり、
半身のマヒが起きたり、ろれつが回らなくなったりします。
脳の血管が一時的に詰まるために起こる、一時的な半身のマヒや手足のしびれ、
ものが二重に見える、ちょっとの間、言葉が出てこなくなったりといった前触れが
先に起きていることもあります。
【 脳の血管が詰まる脳梗塞 】<脳卒中死亡の60%以上>
●アテローム血栓性梗塞
脳の太い血管の内側にドロドロのコレステロールの固まりができ、
そこに血小板が集まって動脈をふさぐ。
●ラクナ梗塞
脳の細い血管に動脈硬化が起こり、詰まってしまう。
●心原性脳塞栓症
心臓にできた血栓が流れてきて血管をふさぐ。
【 脳の血管が破れる脳出血 】<脳卒中死亡の約25%>
脳の中の細い血管が破れて出血し、神経細胞が死んでしまうタイプ。
高血圧や、年をとって脳の血管が弱くなり、血管が破れることが原因となる場合が多い。
日中、活動しているときに、頭痛やめまい、半身マヒ、意識障害などが起こる。
【 くも膜下出血 】<脳卒中死亡の10%>
脳をおおっている3層の膜(内側から、軟膜、くも膜、硬膜)のうち、
くも膜と軟膜のあいだにある動脈瘤が破れ、膜と膜の間にあふれた血液が脳全体を圧迫する。
動静脈奇形が出血の原因の場合もある。
突然激しい頭痛、嘔吐、けいれんなどが起こりやすく、意識がなくなり急死することもある。
【 一過性脳虚血発作 】
脳の血管が詰まるタイプのうち、24時間以内に回復するもの。
脳梗塞の前触れ発作ともいわれる。一時的に片方の目が見えなくなったり、
ろれつがまわらない、半身がいうことをきかなくなるなどの症状が起こる。
再び血液が流れると症状もなくなる。
②心臓病
心臓は筋肉を収縮・拡張させながら、全身に血液を送るポンプの役割をしています。
全身を巡って、各組織や臓器から排出された老廃物や炭酸ガスを含んだ血液は、
右心房にいったん集められた後、右心室に送られます。
そして、右心室から肺に送られた血液は、
呼吸によって取り入れた酸素と炭酸ガスを交換し老廃物を排出します。
そうして新しくなった血液は、左心房に溜められ、左心室に送られると、
収縮・拡張運動によって全身へと送られます。
このように心臓の働きが規則正しく行われているのは、
冠動脈を通して心臓の筋肉に十分な酸素や栄養分が運ばれていることと、
洞結節からの電気信号によってコントロールされているからです。
どちらかに異常が起こると心臓の機能は低下し、様々な症状を引き起こします。
● 不整脈
心臓は筋肉でできており、この筋肉を規則正しく動かしながら全身に血液を送っています。
この筋肉の働きを拍動といい、洞結節(どうけっせつ)から出される電気信号によって調節されています。
この心臓のリズミカルな拍動が血管に伝わったものが脈として感じられ、
脈の打ち方が乱れることを不整脈といいます。
● 心不全
心不全とは心臓疾患などによって、心臓のポンプ機能が低下し、
全身に血液を送り込めなくなるもので、病気というよりもそれらの病気の末期症状としておこる症候群です。
● 狭心症
狭心症(きょうしんしょう)は、心臓を取り巻く冠状(かんじょう)動脈の血液の流れが滞り、
心筋が酸欠状態になったためにおこる病気です。
● 心膜炎
心筋に酸素や栄養を運んでいる冠状動脈(かんじょうどうみゃく)が動脈硬化などによって、
細くなったり、完全に塞がって、十分な血液が運ばれないために
心臓の細胞が壊死(えし)をおこした状態が心筋梗塞(しんきんこうそく)です。
● 心筋症
心臓のポンプの働きをしている心筋に障害がおこる病気で、他の病気が確認されず、
原因が不明な場合の心臓疾患です。
● 心筋梗塞
心筋に酸素や栄養を運んでいる冠状動脈(かんじょうどうみゃく)が動脈硬化などによって、
細くなったり、完全に塞がって、十分な血液が運ばれないために
心臓の細胞が壊死(えし)をおこした状態が心筋梗塞(しんきんこうそく)です。
● 心臓弁膜症
心臓弁膜症は弁の開閉がうまくいかなくなり、血液が押し出されずに溜まったり、
押し出した血液が逆流してしまう病気です。